牡羊座のはなし ~To be honest~
闘い
競走
負けず嫌い
単純
猪突猛進
身体性を獲得する前の魂の状態
フロンティアスピリット
純粋
一番でありたい欲求
重要な存在でありたい欲求…
象徴を表すキーワードは無限にある。
これらは12サインの「牡羊座」を表す代表的な言葉たち。
けれど出生図で何かしらの形で牡羊座が強調されている場合、
これらのキーワードを前にして微妙なかみ合わない感覚を得る人は少なくない。
特に月が牡羊座にある場合など。
月は本性、本音の部分。
牡羊座の月を持つ人は、これらのキーワードを見て、どこかむず痒さを覚えるのではないだろうか。
「うん、まぁ…ある意味言えているけれど、なんか違うんだよな…」
そんなもやもや感を抱える人もいるだろう。
先日、占星術研究家のデビッド・コクラン氏の動画を見た。
デビッド・コクラン氏は、ハーモニックをベースにした「Vibrational Astrology」を提唱している。
ケプラーやシリウスといった占星術ソフトの開発者でもある。(コクランさんはISAR(International society for astrological reseach 国際占星術研究協会)のリサーチディレクターでもある。)
占星術のベーシックな内容だったのだが
その動画の中で彼はこう言っていた。
「牡羊座はバトルが好きなわけではないよ。ただ正直であろうとするんだ。」
To be honest
正直であろうとする。
それは、
自分自身に対して。
この「To be honest」という言葉は
牡羊座というサインの源流を実に的確に表現しているのではないだろうか。
たとえば…
本意と異なることを強いられる。
大人の振舞いを強要される。
やりたくない事を惰性で続けさせられる…etc.
強要は他者から受けるばかりとは限らない。
多くは自分が自分に行うものだから。
大人になるに従って、
人は「社会に順応すること」「大人として振舞うこと」「はみ出さないこと」を自分自身に強要することを覚えるのだから。
本心と異なる振舞いを強要された場合、
行為で表すか表さないかに関わらず、
牡羊座は激しく抵抗する。
それが昂じると暴力的な主張になることもあるだろう。
他者との争いに発展することもある。
または他者と迎合できず
社会ではみ出すこともあるだろう。
誤解されることもあるだろう。
「To be honest」に着火した場合
”無難に振舞う”とか
”うまくやり過ごす”ことは
おそらく不可能だ。
本当のところ牡羊座は争いなど求めてはいない。
彼等はただ正直でありたいだけなのだから。
たとえば、
炎の画家ファン・ゴッホ。
「奇妙な果実」を歌ったシンガー、ビリー・ホリディ。
ヒットラー全盛期の頃に「独裁者」を撮り真正面から彼を批判したチャーリー・チャップリン。
彼等の絵や歌や映画の源流には「To be honest」が流れている。
本音の抑圧が習慣になると
心のバランスはふいに崩れはじめる。
この現代社会で生きている人は少なからず
誰もが経験済みではないだろうか。
そして、バランスを崩すことに慣れている大人の中でも、特に牡羊座の人達は、
自分を裏切っていることに耐え難いものを感じるだろう。
では悩める羊たちはどうすればいいだろうか?
好きなことだけやればいいんだよ、とか
苦痛に思うことはやらなくてよいんだよ、とか…
そんなことではなくて。
何をしても、あるいはしなくても。
間違っていようと正しくとも。
結果が出ようが出まいが。
もしも「コレ」というものがあるのなら、その対象に集中してみると良いだろう。
「コレ」というものがないのなら、別に何もしなくてよいのだ。
一日何もしないというのも良いね。
「コレ」を見つけようと焦る必要なんて全くない。
何もしない…というのもひとつのアクション。
不自然はよくない。
自然体であるならば、引きこもっていても全然OKだ。
複雑に考えすぎずシンプルにいこう。
自然体であるとき、理想的な形で火星(牡羊座のルーラー)の力を存分に発揮することができるのだとわたしは思う。
建設的かどうかなんて関係ない。
ささいなことでいい。
将来のことは考えなくていい。
今、どうしたい?
今、何が心に響いている?
瞬間瞬間に自分に正直になるクセをつけてみるのはとてもおすすめだ。
ふとした瞬間に立ち止まり
ハートに聞いてみよう。
もしもあなたが今、牡羊座のエネルギーを動かすことに困難さを感じているとしたら、
それは「自分らしさ」を再認識するチャンスかもしれない。
深呼吸してセンターに戻り、
真に心に響くものに手を伸ばそう。
一歩足を踏み出してみよう。